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牧師の書斎 2020.3.1

 報道番組で連日新型コロナウィルスのニュースが流され、今や全世界に感染が広がり私たちの日常生活を不安に陥れている。先週は政府が感染拡大防止のため国公私立の小中学校や高校など2日から春休みまで一斉休校にするように求める通知が出され、様々なイベントの中止やテーマパークの臨時休業が発表された。今のところこのウィルスに対する根本的な治療薬がなく、感染を防ぐための方策には感染地を封鎖し、人との接触を避けることしか出来ない状況は周知の通りである。

 

10日前、新聞記事に韓国の大邱の異端の新興宗教である教会からコロナウィルス感染者が出、拡散し、韓国のニュース番組で町から人の姿が消え市内全体を消毒していたり、マスクを買うため長い行列をテレビで見て混乱状態の様子を見、大邱にある姉妹教会のことを心配しメールを送った。すぐに届いたメールには、「本当に丁寧で親切なメッセージをありがとうございます。 私たちは今、苦難の中にあります。 しかし、私たちの教会と私たちはすべて元気で、まだ神の守りを受けている患者はいません。神は私たちの救い主であり、提供者であると信じています。 今のところ、スーパーマーケットやマートで簡単にアイテムを入手できます。 私たちを心配して下さり本当に感動しています。コロナウィルス感染の迅速な終了を祈ってください。ご家族と教会のメンバーに心からお礼を申し上げます。」と書かれてあった。

 

科学は日進月歩と進化し、次々と変化された文化生活を享受する時代に生かされている中、疫病もまた進化し人間は太刀打ちできない。科学万能時代、人間はおごり高ぶるが、神の前においては虫けらにすぎないことを知らされる。科学者であり神学者であるパスカルは著書「パンセ」の中で『人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。それは考える葦である。彼をおしつぶすため、宇宙全体が武装するには及ばない。蒸気や一滴の水でも彼を殺すのに十分である』と書いている。

一滴の水より小さく、顕微鏡でなければ見えないウィルスに世界中が右往左往し、太刀打ち出来ない弱い存在であることを認め、大いなる神の前に謙り、神を求めるものでありたい。早くコロナウィルスが終息するように心を合わせて祈ろう。